パニック障害とは?
パニック障害(パニック症)とは、予期せず突然、動悸やめまい、窒息に似た呼吸困難、発汗などの身体症状が出現し「このままでは死んでしまうのではないか」「気が狂って自分を失ってしまうのではないか」と言う強い恐怖や不安を感じる病気です。
これをパニック発作と呼び、繰り返されるのが特徴です。発作が起きていない間でも、またいつ発作が起きるのかと考え、強い恐怖感や不安感を持ち続けます。
これにより、特定の場所に行けなくなったり外出ができなくなったりして、仕事に行けないなど日常生活に大きな影響を与えてしまうのです。
さらに、うつ病など他の精神障害を併発することもあります。生涯を通してパニック障害にかかる人は100人に1~3人で、女性が男性の2倍に上るという報告があります。
女性に多い理由の一つとして考えられるのは女性ホルモンとの関連です。好発年齢は20~30代で、60代以降では著しく減少する傾向があります。
パニック障害はどんな経過をたどるの?治ったきっかけはある?
パニック障害には大きく分けて3つの段階「パニック発作」「予期不安」「広場恐怖」があります。
パニック障害の初期症状はある日突然、激しい動悸やめまい、発汗、呼吸困難などが現れるパニック発作です。
パニック発作が起こった経験により「また発作が起きたらどうしよう」「今度は死ぬのではないか」と強い不安や恐怖を持つようになります。
この発作に対する症状が、予期不安です。
予期不安が続くと、以前に発作を起こした場所やすぐに逃げることができない、助けが求められない状況を回避するようになります。
具体的には、公共交通機関やエレベーター、高速道路、地下鉄といった閉鎖的な空間を避けるようになるのです。
これが広場恐怖です。広場恐怖が続くと1人で外出できなくなり、引きこもる原因となります。
この段階で治療をせず放っておくと、うつ病や不安障害、強迫性障害、双極性障害など、別の精神疾患を併発し慢性化します。
慢性化すると、完治までにとても時間がかかってしまうので注意が必要です。放置せず早期に治療を開始することが、パニック障害を治す近道になると言えます。
パニック障害の原因は?
パニック障害の原因は2つあると考えられています。1つ目は脳の前頭前野の働きが低下することで、扁桃体の活動が過剰になることです。
私たちの脳には扁桃体と呼ばれる、恐怖に対して反応する部分があります。この扁桃体の活動にブレーキをかけているのが前頭前野です。
パニック障害では前頭前野の働きが低下しているため扁桃体の活動にブレーキがかからず、少しの恐怖でも大きく反応してしまいます。
2つ目の原因は、脳内神経伝達物質であるセロトニンとノルアドレナリンのバランスの乱れです。
セロトニンはドパミン(喜び、快楽など)やノルアドレナリン(恐怖、驚きなど)の働きをコントロールします。
パニック障害では特にセロトニンの量や働きが低下しているため、脳内神経伝達物質のバランスが乱れることで発症すると考えられています。
睡眠不足や過労、ストレスはこれら2つの原因を引き起こす要因となるので、規則正しい生活とストレス管理は大切であると言えるでしょう。
パニック障害はどんな症状?3つの症状を解説
パニック障害の症状は発症から順に3つに分かれます。
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パニック発作
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予期不安
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広場恐怖
それぞれについて説明していきます。
パニック発作
パニック発作の主な症状は、激しい動悸、発汗、手足の震え、めまい、吐き気、呼吸困難です。
現実が現実ではなく感じたり、自分が自分から離れていく感覚に襲われたりすることもあります。
失神することもあり、心臓発作で死んでしまうのではないかと強い恐怖や不安を伴うのが特徴です。
以下の身体症状または精神症状のうち、4つ以上の随伴症状が現れるとパニック発作と診断されます。
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動悸、心悸亢進、または心拍増加
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発汗
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身震いまたは震え
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息切れ感または息苦しさ
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窒息感
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胸痛または胸部不快感
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嘔気または胸部不快感
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めまい感、ふらつく感じ、頭が軽くなる感じ、または気が遠くなる感じ
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現実感消失(現実でない感じ)、または離人症状(自分が自分でない感じ)
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コントロールを失うのではないか、または気が狂うのではないかという恐怖
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死ぬのではないかという恐怖
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異常感覚(間隔まひまたはうずき感)
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冷感または熱感
出典:表2 パニック発作の診断基準|メンタルヘルス|厚生労働省
パニック発作は10分以内にピークに達し、長くても1時間以内には消失します。
救急車で病院に着いた頃には症状が治まっているケースがほとんどで、検査をしても心臓や呼吸器に異常は見られないため原因が特定できず、多くはパニック障害の治療にはつながりません。
初めてパニック発作が起こった時は、何が刺激になったか分からないことも多く、発作は繰り返されます。
次第に発作が起きた場所や状況に対して強い恐怖を感じるようになり、予期不安や広場恐怖へと症状が進んで行きます。
予期不安
予期不安は、パニック発作で体験した苦しさや恐怖から、発作が起こっていない間でも「発作が起きたらどうしよう」「今度こそ死んでしまうのではないか」と発作に対して、強い恐怖や不安を感じることです。
例えば、電車や高速道路、エレベーターや地下鉄など閉鎖的な空間ではすぐに助けを呼べない、逃げられない、と強い不安を感じ「発作が起こるかもしれない」という予期不安が生じます。
広場恐怖
予期不安が続くと、以前に発作を起こした場所やすぐに逃げることができない状況に対して強い恐怖と不安を伴うようになり、そのような場所に行くことを避けるようになります。
これが広場恐怖です。これ以外にも人混みを避けたいと考えて一人で外出することができなくなり、仕事に行けないなど日常生活に大きな支障をきたします。
広場恐怖まで症状が進み治療を受けず放置すると、うつ病や社会不安障害、強迫性障害を合併することがあります。
パニック障害の診断
パニック障害の診断には、2つの国際診断基準があります。
1つ目は米国精神医学会により作成された診断基準DSM-IV、2つ目が世界保険機関(WHO)により作成され診断基準ICD-10です。2つの診断基準に共通する流れは以下です。
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パニック発作を繰り返している
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他の精神疾患では説明できず内科的疾患がないことが確認されている
ここでは米国精神医学会の診断基準DSM-IVをご紹介します。
パニック障害の診断基準:(DSM-IV)
A. (1)と(2)の両方を満たす。
(1)予期しないパニック発作が繰り返し起こる。
(2)少なくとも1回の発作の後1ヶ月間、以下のうち1つ以上が続いていたこと。
(a.)もっと発作が起こるのではないかという心配
(b.)発作またはその結果がもつ意味(例:コントロールを失う、心臓発作を起こす、気が狂う、についての心配)
(c.)発作と関連した行動の大きな変化
B. 広場恐怖が存在する、または存在しない。
C. パニック発作は、以下のような他の精神疾患ではうまく説明されない。
例えば、社会恐怖(例:恐れている社会的状況に曝露されて生じる)、特定の恐怖症(例:特定の恐怖状況に曝露されて)、外傷後ストレス障害(例:強いストレス因子と関連した刺激に反応して)、または分離不安障害(例:家を離れたり、または身近な家族から離れたりしたとき)
出典:不安障害の診断と治療 パニック障害,社会不安障害,強迫性障害
パニック障害の治療法
パニック障害の治療は、薬物療法と精神療法、または認知行動療法の組み合わせで行われます。治療でまず大切なことは「パニック障害を理解すること」です。
パニック発作が起こると「自分は死んでしまうのでないか」と思い込んでしまいますが、パニック障害で死ぬことはありません。適切な治療を受けることで治る病気です。
また、より早い段階で治療を開始することで、治療期間を短くできます。ここでは、薬物療法と認知行動療法について詳しく解説します。
薬物療法
パニック障害の薬物療法では、抗うつ薬とベンゾジアゼピン系抗不安薬が使われます。両方の特徴を活かして、2つを併用し治療を開始します。
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SSRI(抗うつ薬)
パニック障害の治療ではSSRIという種類の抗うつ薬を使います。SSRIは効果が出るまでに2~6週間かかるため、途中で止めないことが大切です。
飲み始めた直後は、吐き気や下痢などの副作用が見られますが、飲んでいくうちに体が慣れ、副作用は通常2週間程度で改善します。
SSRIは選択的セロトニン再取り込み阻害剤で、脳内に放出された脳内神経伝達物質であるセロトニンが再び細胞に回収されないように働き、脳内にセロトニンを増やします。
セロトニンは「しあわせホルモン」と呼ばれることがありますが、ホルモンではなく脳内神経伝達物質です。
脳内の情報伝達に関わっていて、うつ病やパニック障害など精神疾患を持つ人は、セロトニンの量が少ない、または働きが低下していることが分かっています。
セロトニンの働きはドパミン(喜び、快楽)やノルアドレナリン(不安、恐怖、焦燥)の情報をコントロールし、精神を安定させることです。
しかし、セロトニンが減るとドパミンとノルアドレナリンのバランスが乱れ、少しの刺激でも強い恐怖や不安を感じるようになり、これがパニック発作や予期不安、広場恐怖の原因となります。
なお、SSRIの中でもパキシルは胎児へ影響する可能性があるため、妊娠の希望、可能性がある場合は必ず医師に伝えるようにしましょう。
一般的なSSRIと特徴
商品名(一般名) |
特徴 |
ジェイゾロフト (セルトラリン) |
・うつ病・うつ状態、パニック障害、心的外傷後ストレス障害に効果が認められている。 ・副作用がマイルドで効果が強すぎないため継続しやすい。 ・口の中で溶けるタイプの剤型がある。 |
パキシル (パロキセチン) |
・うつ病・うつ状態、パニック障害 強迫性障害、社会不安障害、外傷後ストレス障害に効果が認められている。 ・しっかりとした効果が期待できる。 |
レクサプロ (エスシタロプラムシュウ酸塩) |
・うつ病・うつ状態、社会不安障害に効果が認められている ・効果と副作用のバランスが良いことから継続しやすい。 ・長期的な再発予防として使われる。 |
デプロメール/ルボックス (フルボキサミンマレイン酸塩) |
・うつ病、うつ状態、強迫性障害、社会不安障害に効果が認められている。 ・効果が他のSSRIより高い。 |
SSRI(抗うつ薬)に共通する副作用と注意点
副作用の症状と注意点 | |
消化器症状 |
吐き気、便秘、下痢、食欲不振、口の渇きなど服用初期に見られることが多いが、多くは2週間程度で改善。 |
精神神経症状 |
眠気、めまい、ふらつき、不随意運動(※1)などが現れる場合があるので、自動車の運転などは控える。 |
セロトニン症候群 |
頻度は稀。 不安や混乱に加えて、興奮、発熱、下痢、発汗、頻脈、体の硬直、眼振(※2)がある場合は速やかに医師や薬剤師に相談する必要がある。 |
性機能障害 |
頻度は稀。 勃起障害や射精障害が現れることがある。 |
※1 自分の意志とは関係なく体が動くこと。
※2 無意識に眼球が動くこと。両目同時に見られる。
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ベンゾジアゼピン系抗不安薬
ベンゾジアゼピン系抗不安薬は、脳の活動を抑えることで気持ちを落ち着かせます。
効果が感じられやすいというメリットがある一方で、飲み続けると効果を感じづらくなる、薬を飲まないと不安になる、薬が体から抜けると調子が悪くなる、と言った耐性や依存、離脱症状を生じるデメリットもあります。
そのため、SSRI(抗うつ薬)の効果が出るまでの間に、頓服薬として使われるのが一般的です。
作用時間により、短時間型、中間型、長時間型、超長時間型の4つに分類され、パニック発作に対しては即効性のある短時間型と中間型が主に使われます。
予期不安や広場恐怖の症状が強い場合は、中間型や長時間型の使用も検討します。
ベンゾジアゼピン系抗不安薬は一部の緑内障を悪化させるため、緑内障にかかっている方は服用することができません。
また、妊娠中の方は医師が必要であると判断したときのみ服用することができます。
代表的なベンゾジアゼピン系抗不安薬の作用時間による分類
作用時間 |
商品名(一般名) |
短時間型 |
デパス(エチゾラム) グランダキシン(トフィソパム) リーゼ(クロチアゼパム) |
中間型 |
ワイパックス(ロラゼパム) ソラナックス/コンスタン(アルプラゾラム) レキソタン(ブロマゼパム) |
長時間型 |
リボトリール/ランドセン(クロナゼパム) セルシン/ホリゾン (ジアゼパム) セパゾン(クロキサゾラム) |
超長時間型 |
メイラックス(ロフラゼプ酸エチル) レスタス(フルトプラゼパム) |
ベンゾジアゼピン系抗不安薬に共通する副作用と注意点
副作用の症状と注意点 | |
精神神経症状 |
眠気、ふらつき、めまい、頭痛など |
消化器症状 |
口の渇き、食欲不振、吐き気、便秘など |
依存 |
連用により依存を生じることがある。 また急な中止で離脱症状(※3)が現れる。 依存を回避するために、中止する時は徐々に量を減らしていく必要がある。 |
※3 体から薬が消失すると現れる病的な症状のこと。震え、不眠、不安、幻覚など。
認知行動療法
認知行動療法とは、出来事に対する受け取り方や考え方の偏りを修正していく「認知療法」と、段階を経て自分の行動を主体的にコントロールできるようにする「行動療法」を行う心理学的治療法です。
薬物療法と同等の効果が期待できるため、パニック障害以外の精神障害にも幅広く適応されています。患者が医師やカウンセラーと面談を行い、治療を進めて行きます。
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認知療法
認知療法は、認知のクセを修正することでストレスを軽減させる心理療法です。「現実の受け取り方」や「ものの見方」のことを認知と言います。
この認知のクセを受け入れる作業を医師やカウンセラーと一緒に行い、現実に適応した考え方に修正していきます。
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行動療法
パニック障害では行動を制限している広場恐怖に対して「曝露療法」を行います。
これは発作を起こした場所、恐怖や不安から避けていた場所に実際に行き、徐々に慣れさていく治療法です。
最終的には、例えば「人混みに行っても大丈夫」「電車に乗っても問題ない」と実感できるようになり、予期不安や広場恐怖の症状が改善されます。
パニック障害と似た病気
パニック発作の症状は他の疾患の症状と似ているため、初診時に精神科を受診する人は10%程度に留まります。パニック障害の治療は心療内科、または精神科で行います。
以下はパニック障害に似た病気の例です。
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心筋梗塞(動悸、胸部の圧迫感)
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喘息(息苦しさ、窒息感)
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メニエール病(めまい)
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バセドウ病(発汗、動悸)
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低血糖症(冷や汗、動悸、手足の震え、呼吸が浅くなる)
パニック障害の診断をする時は、これらの疾患がないこと確認します。
パニック障害になりやすい人の特徴は?
パニック障害を発症する人には、もともと特定のものに強い不安や恐怖を抱きやすい特徴があります。
例えば、幼少期に親と離れることに強い不安を抱いていた、一人で行動することに強い不安がある、高いところや狭い場所など特定の状況に対して強い恐怖を感じる、などです。
以下はパニック障害になりやすい人の特徴です。
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完璧主義
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感受性が高い
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自分よりも他人を優先する
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高所恐怖症や閉所恐怖症など特定の場所や状況に強い恐怖を感じる
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幼少期に親から離れられなかったなど分離不安があった
パニック障害はこれらに加えて、過度のストレスがかかりピークに達するとパニック発作として発症しやすくなります。
上記の項目に当てはまる場合は特に、ストレス解消を意識して過ごすことが重要になるでしょう。
パニック障害のセルフチェック
ご自身がパニック障害かどうかは前述の「パニック発作」の章のチェック項目で確認できます。
パニック障害の初期症状はパニック発作ですので、チェック項目に4つ以上該当する場合はすでにパニック障害を発症している可能性があります。
また、パニック発作に似ているけれど、チェック項目に3つしか該当しない場合(症状限定エピソード)でも、放置すると完全なパニック発作に進む場合があるので、早めに受診をしましょう。
パニック発作が起きた時に出る、動悸やめまい、呼吸困難などの症状から一般内科を受診するケースが見られますが、パニック障害の治療ができるのは心療内科と精神科です。
パニック障害は早期に治療を始めることで完治できる病気です。ご自身がパニック障害ではないかと感じたら、早めに心療内科や精神科を受診しましょう。
パニック障害の再発予防法は?
パニック障害は、パニック発作や予期不安、広場恐怖の症状が消失した後も再発しやすい病気です。症状が消失後6ヶ月以内の再発率は、男性が15%、女性では39%です。
そのため、再発させないように医師の指示通りに服薬を中止せず、認知行動療法を続けることが重要になります。
パニック障害を完治した人は、最後まで服薬を継続し、認知行動療法を行っていたという報告があります。
規則正しい生活とバランスの取れた食事、十分な睡眠とこまめにストレス解消を心がけるようにしましょう。
パニック障害の治療に役立つ食べ物
パニック障害では、脳内のセロトニン不足が原因の一つと考えられています。セロトニンの材料であるトリプトファンは必須アミノ酸で、体内では生成できません。
そのため、食事から摂る必要があります。以下はトリプトファンを多く含む食材とセロトニンの合成に必要な食材の例です。
パニック障害の治療の助けとなるため、食事の際の参考にしてみてください。
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トリプトファンを多く含む食品
卵、乳製品、大豆製品、カツオ、鮭、鶏肉、豚肉、牛肉、かぼちゃ
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セロトニンの合成を促す食品(ビタミンB6)
赤身肉、鶏肉、マグロ、バナナ、牛レバー、カツオ
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セロトニンを合成するときに補酵素として関わる食品(鉄)
レバー(鶏・豚・牛)、牛ヒレ肉、カツオ、イワシ、卵、あさり、牡蛎、小松菜、ほうれん草、枝豆、豆乳、海藻類
サプリメントを飲んでいる場合は過剰摂取に注意しましょう。
また、アルコールやカフェインはセロトニンの働きを妨げたり、治療薬に悪影響を与えたりすることがあるので控えるようにしましょう。
家族や周囲の人の対応方法と安心する言葉がけ
パニック障害の治療で重要となるのが「周囲の理解」です。
パニック障害で経験する不安や恐怖、苦痛は、健常な人では想像できないもので、本人は本当に死んでしまうのではないかと思っています。
この思考は脳の誤作動によるもので、自分自身でコントロールすることはできません。
また、度々起こる発作を周囲の人が見て「またか」「気持ちが弱いからだ」「甘えるな」などと言ってしまうと、パニック障害を悪化させる原因となってしまいます。
周囲の人、特に身近な家族やパートナーはパニック障害という病気を理解し、発作を起こした時は「大丈夫」と優しく声をかけ、背中をさすったり、手を握ったりしましょう。
パニック障害で苦しんでいる人への対応方法のまとめ
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パニック障害を理解する。
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発作の時は気持ちに寄り添った声かけをする。
「大丈夫」「一緒にいるよ」と背中をさすってあげる。 -
否定的な言葉や態度はパニック障害を悪化させるので避ける。
Q&A
パニック発作に関する、よくある質問にお答えします。
パニック障害を落ち着かせるにはどうしたら良いですか?パニック障害を一瞬で治す方法はありますか?
パニックが落ち着く方法は、意識的に深い呼吸を繰り返し、体内の酸素と二酸化炭素のバランスを整えることです。
また、乗り物では出口付近に乗ることを意識すると良いでしょう。
パニック発作を一瞬で治すことは難しいですが、手足の震えや発汗、動悸などが出はじめたら、飲み物を飲んだり飴をなめたり、現実にあるもの(周りの景色)を意識的に確認し、発作から意識を反らすことも有効です。
パニック障害はどのくらいで治るのでしょうか?
初期症状のパニック発作は治療開始から2週間~3か月程度、予期不安や広場恐怖は1ヶ月~3か月程度、発作と予期不安、広場恐怖がなくなったあとは再発予防の治療を6か月~1年程度続けます。
その後、6か月~1年くらいの期間をかけて、徐々に薬を減らしていきます。 個人差はありますが、全治療期間は概ね1年~2年程度です。
早期に治療を開始するほど治療期間は短くなります。
パニック障害で障害年金はどのくらいもらえますか?
パニック障害は障害年金の対象にはなりません。ただし、合併症によっては対象となる場合もあるので、主治医に確認してみましょう。
パニック障害の原因はストレスですか?
パニック障害の直接的な原因は脳の誤作動によるものですが、ストレスがピークに達するとパニック発作の前兆が起こることが分かっています。
睡眠不足や過労にならないよう、普段からうまくストレス解消を行うようにしましょう。
まとめ
パニック障害は脳の誤作動で起こる精神障害です。
予期せず、強い不安や恐怖と共に、動悸やめまい、発汗、体の震え、呼吸困難の症状が現れるため、心臓や呼吸器に問題があるのではないかと内科を受診する方が多く見られます。
その結果、治療開始が遅れ、予期不安や広場恐怖へと症状が進み、慢性化する原因となります。
パニック障害は精神科や心療内科で正しく治療をすれば治る病気です。また、再発しやすい病気でもあるので、再発予防のための治療を一定期間続ける必要があります。
過度にストレスがかかった状態で発症しやすくなるため、治療が終わった後も生活の見直しやストレスの管理をするようにしましょう。