目次
肩甲骨を動かすとどんな効果やメリットを期待できる?
肩甲骨を動かすことで運動機能や柔軟性の向上、さらには筋力維持の効果を期待でき、ロコモ予防にも繋がります。[1]
特に、加齢によって特に落ちやすい体幹部の筋肉は以下の通りです。[2]
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脊柱起立筋
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腸腰筋
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大腿四頭筋
以上の筋肉は、肩甲骨と股関節の周辺に位置する筋肉で、意識して筋力維持に取り組むことが非常に重要です。
肩甲骨を動かすと可動域を広げることに繋がり、運動機能や柔軟性の向上が期待できます。
また、肩甲骨には多くの筋肉や骨が繋がっているため、肩甲骨を動かすことで繋がっている筋肉が連動して動きます。
その結果、多くの筋肉を自然と使うため筋力維持にもなるでしょう。[2]
肩甲骨を動かすと糖尿病でもロコモ予防になる?
糖尿病患者の方は、年齢に関わらずロコモになりやすい状態です。糖尿病患者で若年層の方も「自分には関係ない」と思わずロコモ予防に取り組むと良いとされています。
また、既にロコモが進んでいる方や高齢の方は、寝たきりや介護予防のために、ロコモ予防に取り組むと良いでしょう。そのためには、筋力や関節の健康を保つことが重要です。
特に、肩甲骨を動かす簡単な動作で身体の柔軟性を高め、筋力アップにも繋がります。その結果、糖尿病の方でも十分ロコモ予防になるでしょう。
肩甲骨を動かすと痩せる?ダイエットへの効果は?
肩甲骨のまわりには、熱を生み出して脂肪燃焼作用のある褐色脂肪細胞が密にあるといわれてます。[3]
つまり、肩甲骨を動かすと褐色脂肪細胞が刺激され活性化するため脂肪を燃焼しやすくなります。
逆に肩甲骨の動きが悪くなると、褐色脂肪細胞の作用も衰えるため脂肪が溜まり太りやすくなる恐れも。
運動のように劇的に痩せる効果は期待できませんが、肩甲骨を動かして褐色脂肪細胞の働きを活性化させることで脂肪が燃焼しやすい身体づくりに繋がります。
ダイエット効果も期待できますが、健康的な体重を保つためと考えておきましょう。
肩甲骨を動かすトレーニング(ストレッチ)方法
糖尿病患者の方でロコモ予防を始めるなら、まずは肩甲骨を動かすトレーニングから始めてみてはいかがでしょうか。
肩甲骨を動かすトレーニングはさまざまな方法で紹介されていますが、その中でも自宅で簡単に取り組めるトレーニング方法をご紹介します。
トレーニングや体操を始める前に、肩甲骨がどの程度動くか以下の方法でチェックしてみましょう。[4]
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背中を壁につけて立つ。
手のひらを下に向けた状態で腕を伸ばし、肩の位置まであげる。 -
そのまま壁伝いに腕を上げる。
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痛みを感じず無理なく上げられるところまで腕をあげ、角度をチェックする。
0~45度:肩甲骨周りの筋肉が硬く、可動域が狭い。
45~60度:肩甲骨周りの筋肉が少し硬い状態。やや動きが悪い。
60~90度:肩甲骨が柔軟に動かせている状態。問題なし。
上記のどの状態に自身が当てはまるかを確認して、無理のない範囲で肩甲骨を動かすストレッチを行いましょう。
肩甲骨を動かす簡単な体操
肩甲骨を意識して動かせる簡単な体操をご紹介します。[5]
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両手を組む
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背中を丸めて前方へできるだけ遠くに伸ばす
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伸ばした状態で30秒キープ
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元の位置までゆっくりと戻す
上記の手順に沿って、初めての場合はゆっくりとできる範囲で進めましょう。座ったままでもできる簡単な体操なので、仕事の休憩時間など場所を問わず取り組めますよ。
簡単な動きですが、肩甲骨周りがほぐれて肩こり解消にも繋がるでしょう。
肩甲骨を動かす気持ちいい筋トレ
自宅で肩甲骨を動かす筋トレは、優しいものからハードなものまで幅広いトレーニングが存在します。
日頃から簡単な体操を行っている人は、少し本格的な筋トレを取り入れて気持ちよく肩甲骨を動かしてみるのもおすすめです。
自宅で肩甲骨を動かす筋トレを行う場合には、ダンベルを使用して適度な負荷をかけるのも良いでしょう。
初心者でも実践できる「ダンベルベントオーバーロウ」と呼ばれる筋トレを解説します。[6]
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肩幅に足を広げ、膝を少し曲げ前傾姿勢で両手にダンベルを持つ。
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左右の肩甲骨を背中に引き寄せるように、脇をしめてダンベルを下腹部まで持ち上げる。
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背中が丸まらないよう、ダンベルの上下を繰り返す。
ダンベルがない場合はペットボトル等を代用しても良いでしょう。
肩甲骨を動かすマッサージ
マッサージで肩甲骨を動かすのも有効的です。体操やトレーニングだけでは緩みにくい、肩甲骨の硬い部分を直接マッサージします。
自身でトレーニングが難しい場合は、マッサージを家族にしてもらうのも良いでしょう。ただし、 痛みを伴いやすい部位なので、加減をしながら実施してください。
肩甲骨を動かす簡単なマッサージ方法は以下の通りです。
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片側から反対の手で肩甲骨の上に3本指を置く
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指の力で円を描いたりずらしたりしてマッサージをする
肩甲骨のストレッチは座ったままでもできる?
肩甲骨のストレッチは座ったままでも可能で、ロコモ予防に十分なります。[1]
実際に1人で簡単に座ったまま行える方法を解説します。
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椅子に座って背中にクッションをはさむ。
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息をはきながらクッションを背中で5秒間押し、ゆっくりと緩める。
この動きを1セット3回行うと、背筋が伸びる感覚と同時に肩甲骨もストレッチできます。
座ったままでもできるので、デスクワークの合間にも手軽に実践可能。肩甲骨周りの柔軟性が高まり、血行も良好になるでしょう。
肩甲骨のストレッチは寝たままでもできる?
肩甲骨のストレッチは寝た状態でも行えます。寝たままの状態でリラックスして全身の力を抜きながら実践するのもおすすめです。
寝たまま肩甲骨のストレッチをする際は以下の手順を参考にしてください。[7]
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仰向けに寝て膝を立てる。
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タオルを筒状にして、肩甲骨に対して横向きに背中と床の間に入れる。
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肘を持つようにして両腕を体の前で組む。
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腕を組んだまま、左右に体ごと転がる。
どのご家庭にもあるタオルを一工夫して使用すると、肩甲骨を刺激しながらストレッチできます。
タオルが肩甲骨周辺を押して筋肉をほぐしてくれるので、気持ちよく肩甲骨を動かせるでしょう。
肩甲骨を動かすと疲れる場合
急にトレーニングや体操をすると返って筋肉や骨の負担となり、疲れるだけでなく怪我のリスクも高まります。
肩甲骨を動かすトレーニングに限らず、まずはストレッチを行ってから取り組みましょう。
肩甲骨を動かすと疲れを感じる場合は、慣れるまでゆっくり自分のペースで行うことが重要です。
特にトレーニング中は、息を止めず、反動を付けないようにすると疲れにくくなるでしょう。
肩甲骨を動かすと痛い場合はどうしたら良い?
肩甲骨を動かすと痛い場合、その痛みが何が原因で起こっている痛みなのかを見極めましょう。
「痛み」と一言で言っても、動かしてはいけない痛みと動かしていい痛みのどちらに該当するか判断することが大切です。
まず、肩甲骨を動かしてはいけないのは炎症による痛みの場合で、なるべく安静にして適切な抗炎症処置を受ける必要があります。[8]
逆に、肩甲骨を動かしても良い痛みは関節などの硬さによる痛みで、関節が凝り固まり痛みが生じるている可能性があります。
この場合、肩甲骨を動かすことが治療にも繋がるので、少しずつ可動域を広げながらストレッチしてみましょう。
ただし、どちらの痛みかわからない方は整形外科など専門の医療機関を受診をおすすめします。
肩甲骨を動かすとゴリゴリと音がする場合
肩甲骨を動かした際にゴリゴリと音がなった経験をした人も多いのではないでしょうか。
肩甲骨を動かす時にゴリゴリと音が鳴る原因は、肩甲骨周辺の筋肉が緊張した状態で、筋肉を構成する筋繊維が収縮して起こっています。[9]
運動不足や血流の低下によって柔軟性が低下し、ゴリゴリと音がすることもあるでしょう。
音がした場合は無理のない範囲で体操やトレーニングを実践して、肩甲骨周辺の可動域と柔軟性を高めておく必要があります。
肩甲骨を動かすと気持ち悪い時は?
肩甲骨を動かすと気持ち悪い場合、低血圧を起こしている可能性があります。[10]
肩甲骨を動かすことに限らず、トレーニング後は心拍数が低下し脳への血流も低下する傾向です。
一時的に、血圧が低下し脳の血流が低下したことによって気持ち悪く感じてしまうケースもあるでしょう。
また、肩甲骨周辺のコリが酷いことで血行不良が起こり、脳に血液がスムーズに届かなくなります。
その結果、脳や神経が正常に機能しなくなり、吐き気に繋がり気持ち悪くなるケースも珍しくありません。
Q&A
糖尿病のロコモ予防に肩甲骨を動かすことは有効か解説しましたが、特に気になる質問をまとめました。ロコモ予防に肩甲骨を動かすなら、まずは疑問を解消して開始しましょう。
肩甲骨を動かすと良いことは何ですか?
肩甲骨を動かすことはロコモ予防に繋がる他、以下のような効果が期待できます。
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猫背の改善
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肩こりの予防
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呼吸機能の促進
以上のように、上半身全体においてさまざまな効果を期待できるでしょう。
糖尿病の方もロコモ予防で肩甲骨を動かすことで、自然と良い効果が連鎖するので健康的な身体づくりへの第一歩にもなります。
肩甲骨はどのような動きをしますか?
肩甲骨は背中の上部にあり、胴体と腕をつないでいる骨です。左右に一対ずつ羽のような形状でついていて、腕の上下運動や腕を回す運動に連動して自在に動きます。
肩甲骨周りが固いのはなぜですか?
肩甲骨周りが固いと感じる時は肩甲骨周辺の筋肉が緊張した状態と考えましょう。筋肉を構成する筋繊維が収縮した状態となっている可能性があります。
本記事でご紹介した体操やトレーニングを取り入れて、柔軟性を高めましょう。
まとめ
今回は肩甲骨を動かすとどんな効果が期待できるのか、加えて具体的なトレーニング方法も交えてご紹介しました。糖尿病患者の方は、年齢関係なくロコモ予防が重要です。
簡単にできるストレッチも数多くありますので、気負わず肩甲骨を動かすことから始めてみましょう。まずは肩甲骨に意識を向けてみるだけでも良いですね。
ロコモ予防になるだけでなく、身体に良い効果を自然と感じられ、健康な身体づくりのきっかけにもなるはずです。
将来的に糖尿病と上手く付き合いながら、筋力を維持して体力のある身体を目指してみませんか。
参考文献
[3]ヨガジャーナルオンライン
[6]WELL-BEING GUIDE|肩甲骨周りの筋トレはどんな効果があるの?
[7]LEE|肩こりに効く!自分で「肩甲骨はがし」寝たままエクササイズ
[9]くまのみ整骨院・整体グループ|肩を回すとゴリゴリする!肩甲骨のコリを和らげる7つの方法
[10]「NAORU」グループ公式サイト|肩こりからくる吐き気の原因は?吐き気に効く解消法