LDLコレステロールを下げる飲み物ランキングと特徴
LDLコレステロールを下げるには、LDLコレステロールを上げる飲み物(乳製品)や、糖分の多い飲み物(清涼飲料水など)を、飲みすぎないようにすることが大切です。
このランキングでは日常生活への取り入れやすさ、LDLコレステロールを下げる効果を考慮し、筆者の主観で作成しています。
後ほど紹介する解説を見ながら、自分に合った飲み物を選びましょう。
LDLコレステロールを下げる飲み物ランキング
LDLコレステロールを下げる飲み物ランキングは以下の通りです。
- お茶
- コーヒー
- 豆乳
- ココア
- トマトジュース
このランキングは、以下の表を参考に作成しました。LDLコレステロールを下げるために有効な成分とデメリット、日常への取り入れやすさを比較しています。
|
ポリフェノール |
ビタミン | その他成分 |
デメリット |
取り入れやすさ |
お茶(緑茶) |
茶カテキン |
ニコチン酸 |
カフェインに注意 |
どこでも買える。家でも作れる。 | |
コーヒー |
クロロゲン酸 |
ニコチン酸 |
カフェイン過多、ミルク砂糖過多に注意 |
嗜好品として多く普及している | |
豆乳 |
大豆イソフラボン |
ビタミンE |
サポニン |
摂りすぎ注意 |
牛乳から変更できれば効果あり |
ココア |
ココアポリフェノール |
ビタミンE(わずか) |
ミルクと砂糖に注意 |
ミルクと砂糖に注意 | |
トマトジュース |
わずかに含む |
ビタミンC |
塩分に注意 |
飲みにくい人も多い |
3位の豆乳から順番にLDLコレステロールを下げる効果について解説します。1位と2位については、後ほど詳しく解説します。
3位 豆乳
大豆イソフラボンなどの効果でコレステロールが低下します。また、抗酸化作用を持つビタミンEも含まれています。
普段牛乳を飲んでいる方が、豆乳に変えるだけでもLDLコレステロールを下げる効果が得られます。
4位 ココア
ココアに含まれるココアポリフェノールにも、LDLコレステロールを下げる効果があります。
しかし、牛乳や砂糖をたくさん入れることは逆効果になるため、飲みすぎには注意が必要です。
5位 トマトジュース
トマトに含まれるリコピンという成分にはLDLコレステロールを下げる効果があります。しかし塩を入れないと飲みにくく、その塩分で血圧上昇につながる可能性があります。
そのため、今回は、5位となっています。
ランキング1位のお茶がLDLコレステロールを下げる理由
LDLコレステロールを下げる飲み物ランキング1位のお茶は、様々な種類があります。その中でも緑茶・抹茶は特にLDLコレステロールを下げる効果が高いです。
緑茶・抹茶の2種類について解説します。
緑茶
お茶の中でも緑茶に含まれる茶カテキンには、LDLコレステロールなどの血中コレステロールや中性脂肪の吸収を抑える作用があります。
その中でも、緑茶にだけに含まれているガレート型カテキンはコレステロールを下げることが難しいと言われている女性にも効果があります。
1日をとおして400mgほどカテキンを摂取するのが効果的であり、緑茶なら約1Lを目標にしましょう。
最近はトクホ製品など、カテキンの含有量が多いお茶も発売されています。ペットボトルなどで買う方はチェックしてみてください。
抹茶
こちらにも緑茶と同じように茶カテキンが含まれています。
しかし、抹茶は粉末茶ですので同じ量でも約2~3倍の茶カテキンが含まれます。少ない量でしっかりカテキンが摂取できるのはメリットと言えます。
しかし、カフェインも多く含まれているので摂りすぎに注意が必要です。多くても1日に3~4杯程度でとどめてください。
番外編:青汁
青汁は、お茶と見た目が似ています。しかし、お茶の葉ではなく葉物野菜を原料としているため全く別物です。
今回は青汁の苦味からランク外でしたが、飲む野菜として優秀です。
青汁はビタミン、ミネラル、食物繊維など多くの栄養成分を含んでいます。血中コレステロールを下げる働きがある、クロロフィルが含まれているためです。
しかし飲みすぎると、ビタミンやミネラルの過剰摂取になり体に不調を及ぼします。1日の摂取量は守りましょう。
コーヒーがLDLコレステロールを下げる理由
コーヒーは毎日欠かさず飲む人も多く、毎日続けやすい飲み物の代表とも言えるでしょう。コーヒーにはココアより多くのポリフェノールが含まれています。
また、コーヒーに含まれるビタミンB群の一種、ニコチン酸にはHDLコレステロール(善玉コレステロールのこと。以下HDLコレステロールと記載)を増加させ、LDLコレステロール値を下げる効果があります。
特に深煎り豆のコーヒーはニコチン酸が多く含まれています。苦めのブラックコーヒーが好きな方には特におすすめです。
しかし、ミルクや砂糖を入れすぎないよう注意しましょう。また、先ほど紹介した抹茶と同程度のカフェインが含まれています。多くても3杯くらいにとどめましょう。
LDLコレステロールを下げる食品ランキングと特徴
LDLコレステロールを下げるために、バランスの良い食事を心掛けましょう。動物性脂肪や飽和脂肪酸などを摂りすぎないようにするのも効果的です。
LDLコレステロールを下げる作用がある食品はたくさんあります。その中でも毎日~週に1回は取り入れてほしいものをランキングにしてまとめました。
また、食品の種類や特徴についても解説します。
LDLコレステロールを下げる食品ランキング
LDLコレステロールを下げる食品ランキングは以下の通りです。
- ブロッコリー
- ひじき
- 豆腐
- しいたけ
- サバ
以下の表を参考にし、筆者の考えるランキングを作成しました。LDLコレステロールを下げるために有効な成分と、日常への取り入れやすさを比較しています。
|
食物繊維 |
ビタミンC |
植物性油脂 |
その他物質 |
取り入れやすさ |
ブロッコリー |
多い |
ビタミンC豊富 |
植物性たんぱく豊富 |
グルコラファニン |
冷凍食品あり |
ひじき |
とても多い |
植物性たんぱく豊富 |
もどさなくてよい芽ひじきがある | ||
豆腐 |
わずか |
ビタミンE |
大豆たんぱく豊富 |
レシチン |
そのままでも食べられる |
しいたけ |
多い |
植物性たんぱく |
エリタデニン |
干ししいたけなら長期保存できる | |
サバ |
なし |
ビタミンE |
飽和脂肪酸DHA・EPA |
サバ缶で手軽に使える |
ブロッコリー
ブロッコリーは、食物繊維が豊富で植物性タンパク質も多く含まれる野菜です。
また、ビタミンも豊富であり、特にビタミンC、ビタミンE、ビタミンK、葉酸が多く含まれています。
コレステロールの酸化を防ぐビタミンC、EはLDLコレステロールを下げるのに効果的です。また、アブラナ科の野菜にはグルコラファニンという物質が多く含まれています。
グルコラファニンにはLDLコレステロールを下げる効果があります。最近では自然解凍でそのまま食べられるブロッコリーもあり、手間がかかりません。
LDLコレステロールを下げる機能、簡単に取り入れられる点から1位です。
ひじき
食物繊維の含有量はトップクラスです。植物性たんぱくも豊富で、フコステロールという海藻類特有のLDLコレステロールを下げる成分も含まれています。
以上からLDLコレステロールを下げる力が高いため2位です。
乾物のひじきなら長持ちしますし、作り置きにも向いているので積極的に取り入れましょう。
豆腐
大豆イソフラボン、大豆たんぱくの効果でコレステロールが低下します。また、抗酸化作用を持つビタミンEも含まれています。
さらに、レシチンはHDLコレステロールの主要成分です。食物繊維は含まれていませんが、豊富なたんぱく質とアレンジのしやすさで3位です。
しいたけ
豊富な食物繊維が含まれています。エリタデニンというLDLコレステロールを下げる成分も含んでいます。乾物なら長期保存もでき、調理に取り入れやすいと考え4位です。
サバ
飽和脂肪酸である、ドコサヘキサエン酸(DHA)やエイコサペンタエン酸(EPA)にはコレステロールを下げる作用があります。抗酸化作用のあるビタミンEも含まれています。
サバ缶で簡単に取り入れられるのもポイントです。上位の食材はアレンジして毎日でも取り入れられますが、サバはメイン料理になることが多いです。
料理の手間を考え5位になりました。
食品がLDLコレステロールを下げる理由について解説
今回LDLコレステロールを下げる食品ランキングにランクインした食品は、共通点があります。以下に紹介する食品を意識して取り入れ、コレステロール値を適正値にしましょう。
食品がなぜLDLコレステロールを下げるのか、理由を詳しく解説します。
野菜・キノコ
野菜やキノコは、豊富なビタミンとミネラル、さらに食物繊維の摂取が可能です。
食物繊維のなかでも、水溶性食物繊維は体内をゆっくりと通過していきます。その過程でコレステロールや中性脂肪を取り込み、体外へと排出する手助けを行います。
水溶性食物繊維が多い野菜は、ごぼう、かぼちゃ、ほうれん草などです。キノコは不溶性食物繊維のほうが多いです。
不溶性食物繊維はLDLコレステロールを下げる効果はありません。しかし、食物繊維はバランスよく両方を摂取しないと、腸内環境に不調をきたします。
きくらげやしめじエリンギなどの不溶性食物繊維も摂取しましょう。
ビタミンの中でもビタミンC、Eは抗酸化作用でコレステロールの酸化を予防します。コレステロール酸化の予防は動脈硬化の予防につながります。
ビタミンCが多く含まれているのはピーマンやパプリカです。ビタミンEは、しそやかぼちゃ、ほうれん草などに多く含まれています。
大豆製品
大豆製品の魅力は豊富な大豆タンパクです。日本人に不足しがちなタンパク質をコレステロールなしで摂取できます。
また、豆乳イソフラボンやレシチンの作用でLDLコレステロールを下げる効果を期待できます。特に納豆にはレシチンが多いです。
大豆製品は、なるべく元の大豆に近い形のほうが栄養価が高いです。しかし、加工してあるからこそ吸収率が高くなることもあります。
食べやすい形で食事に取り入れましょう。
海藻
食物繊維の中でも水溶性食物繊維が多く含まれています。水溶性食物繊維はコレステロールや中性脂肪を吸着させて排出する作用があります。
海藻類に含まれているフコステロールにも、血中コレステロールを下げる作用があります。
青魚
サバやマグロなどに含まれているドコサヘキサエン酸(DHA)やエイコサペンタエン酸(EPA)にはコレステロールを下げる作用があります。
また、ビタミンも豊富に含まれています。良質なたんぱく質と脂質を摂取できるため、週に1度は取り入れましょう。
LDLコレステロールを下げる簡単レシピを紹介
紹介した食品を使った簡単レシピを紹介します。
忙しい朝にぴったりの朝食や、1週間の献立にプラスできる作り置きを使ったレシピも紹介しています。
朝食にぴったり!ヘルシー食事2選
簡単にパパっとできて、LDLコレステロールを下げる効果があるレシピです。また、冷たくても温かくしてもおいしいので年中食べられます。
豆腐茶漬け(1人前)
【材料】
-
絹ごし豆腐:100g
-
梅干し:1粒
-
だし汁:150cc
-
薄口醤油:小さじ1
-
ご飯:80g
-
大葉(お好みで):1枚
【作り方】
-
豆腐は4mmの角切りにします。(面倒な方は適当にちぎってください)
-
鍋にだし汁と薄口醤油を入れて火にかけ、豆腐を加えて温めます。(冷たいのがお好みの場合は混ぜるだけでOK)
-
器にご飯を盛り、2を上からかけ、種をとった梅干し、刻んだ大葉をのせたら完成です。
出汁を作るのも面倒な方は、お茶漬けの素を使ってもOKです。しかし、塩分が多くなってしまうため、高血圧の方は注意が必要です。
以下はパンを使ったレシピです。パンにはLDLコレステロールを下げる効果はありませんが、食べたいときもあるでしょう。そんなときにこのレシピはいかがでしょうか。
サバサンド(1人前)
【材料】
-
サバ水煮缶60g
-
レタス1枚
-
トマト1枚(輪切り1センチの厚さを二等分)
-
ロールパン2個(中央に切れ目を入れておく)
-
塩コショウ少々
-
粒マスタード大さじ1
【作り方】
-
ボウルにサバ水煮缶を入れて、塩コショウ少々加えてよく混ぜ合わせます。
-
レタスは適当にちぎります。
トマトはキッチンペーパーで余分な水分をぬぐっておきます。 -
ロールパンの中に粒マスタード大さじ1を、それぞれ半量ぬりつけます。
-
レタス、トマト、サバをはさんで、完成です。
パンを使用していますが、コレステロールは50mg、さらにサバも使ってあるので栄養バランスの良いメニューとなっています。食べ応えもあるため、朝から満足感が得られるでしょう。
簡単!LDLコレステロールを下げる1週間使えるレシピ例
一度作ったら数日間、日持ちするおすすめの常備菜を紹介します。何品か知っておけば、1週間の献立にプラスするだけで簡単にLDLコレステロールを下げる効果が期待できます。
2人分の材料なので、作り置きにするなら2倍量でもいいかもしれません。
ブロッコリーとキャベツの胡麻和え(冷蔵4日)(2人分)
【材料】
-
ブロッコリー200g
-
お湯(ブロッコリー茹で用)1000ml
-
塩 (ブロッコリー茹で用)小さじ2
-
キャベツ100g
〈ごまタレの材料〉
-
黒すりごま大さじ3
-
砂糖大さじ1
-
しょうゆ大さじ1
-
顆粒和風だし小さじ1/2
-
ごま油小さじ1/2
【作り方】
-
ブロッコリーは小房に切り分け、芯の部分は皮を取り除き1cm幅に切ります。
-
キャベツはざく切りにします。
-
耐熱容器にキャベツを入れてふんわりとラップをし、600Wで2分加熱します。粗熱を取り、水気を絞ります。
-
お湯を沸かした鍋に、塩を入れ、ブロッコリーを中火で2分程ゆで、ザルに上げます。
-
ボウルにごまタレの材料をすべて入れ、混ぜ合わせます。加熱したキャベツとブロッコリーを加え、よく和えて完成です。
ツナと大根のひじき煮(冷蔵3日程度)(2人分)
【材料】
-
芽ひじき(戻さなくて良いタイプ使用)20g
-
しいたけ2~3枚
-
大根小1本
-
人参1/2本
-
ツナ缶 一個
-
砂糖大さじ1
-
酒大さじ1
-
めんつゆ(4倍濃縮)大さじ1
-
だし汁200ml
【作り方】
-
大根と人参をスライスし、しいたけは薄切りにします。
-
フライパンを熱し1.とツナ缶1個を炒めます。
野菜がしんなりしたら砂糖、酒を加え一旦強火でアルコール分を飛ばします。 -
2.に芽ひじき20gとめんつゆ、だし汁を加え蓋をして煮込み、完成です。
副菜と呼ばれるものにはLDLコレステロールを下げる食品がたくさん使われていることが分かります。
さらに、メインのおかずをささみや鶏むね肉、豆腐や魚などを使用してみましょう。
ヘルシーなのに食べ応えがあって簡単にLDL(悪玉)コレステロールを下げる効果も期待できる献立が完成します。
そもそもコレステロールとは?種類を知って動脈硬化を予防
そもそもコレステロールとは何なのでしょうか。コレステロールや中性脂肪の数値が悪いと、動脈硬化を引き起こすと言われています。
動脈硬化を予防する方法について紹介します。
コレステロールとは?中性脂肪との関係って?
コレステロールとは脂質の1種です。約70%は肝臓で作られています。食事から取り入れているのは30%程度です。
細胞膜の主成分であり、ステロイドホルモン(性ホルモン、副腎皮質ホルモンなど)、胆汁の原料となります。
ホルモンの生成や脂質の消化吸収に必要なため、なくてはならない栄養素です。
コレステロールは2種類に分類できます。HDLコレステロールとLDLコレステロールです。
血液検査で見る総コレステロールは血液中に含まれる全てのコレステロール(2つを足したもの)です。
健康診断では、HDLコレステロールやLDLコレステロール、や中性脂肪の数値に異常があると、脂質異常症と診断されます。
LDL(悪玉)コレステロール
肝臓で作られたLDLコレステロールは、細胞膜などを形成するために血液中に送り出されています。
送り出されるLDLコレステロールが増えると、血管壁にくっつき、血中コレステロールが高い状態となります。
コレステロールが高くなると、血管壁が厚くなり、血管内が狭くなるため動脈硬化発症のー因となります。
HDLコレステロール
HDLコレステロールは、血液中に浮遊する余分なコレステロールや、血管壁にくっついたコレステロールを回収し除去する働きがあります。
HDLコレステロールを増やせば、血液がサラサラになり、血管壁の厚さを適正に保ってくれます。
中性脂肪
中性脂肪は、体のエネルギー源、体温の維持や臓器の保護などの役割があります。必要以上に中性脂肪を取り込みすぎた場合、脂質の代謝異常が起こります。
脂質の代謝異常はコレステロール値に異常を起こす原因の1つです。コレステロールは脂質、中性脂肪は糖質の取りすぎが元になっています。
健康のためにもコレステロールと中性脂肪はセットで対策が必要です。
コレステロールや中性脂肪を適正にして動脈硬化を予防
HDLコレステロールが少なく、LDLコレステロールが多い、さらに中性脂肪も多い状態のままにしておくと動脈硬化の一因となるため、対策が必要です。
食事や飲み物以外の予防や対策について3つ紹介します。
-
禁煙
-
運動
-
適正体重の維持
禁煙
たばこの中のニコチンには脂質代謝に影響を及ぼす作用があります。脂質代謝の異常により、LDLコレステロールの増加、HDLコレステロールの減少が起こります。
喫煙による血圧上昇や血管収縮もニコチンが原因です。健康のためにもまずは禁煙しましょう。
運動
継続してすることでHDLコレステロールを上げる効果があります。階段を使う、徒歩通勤するなど生活に取り入れやすい運動を行いましょう。
適正体重の維持
HDLコレステロール値が低いときは中性脂肪が高いことも多いです。
中性脂肪が高い方は肥満の方が多いため、肥満から脱却することがコレステロール値の適正ににつながります。
LDLコレステロールの増加、動脈硬化によりリスクが高まる病気
前述の通り、血中コレステロールが高くなると血管壁が厚くなり、血管内が狭くなるため、動脈硬化発症の原因となります。
LDLコレステロールの増加、動脈硬化によりどんな症状や疾患につながるのかを説明します。
動脈硬化によって起こる高血圧
生活習慣病といえば高血圧を思い浮かべる方も多いでしょう。高血圧の原因は主に以下の3つです。
-
血管内が狭い
-
血液が多い、またはドロドロ
-
自律神経やホルモンバランスの乱れ
そもそも血圧とは心臓が血液を送り出したときに、血管内にどれだけの圧をかけているかを数値で表したものです。
ストレスや寝不足は自律神経やホルモンバランスの乱れにつながり、血圧に悪い影響があると言われています。
血管内が狭かったり、血液量が多くドロドロであったりするのも血圧が高くなる原因の一つです。
動脈硬化では血管内が狭く、スムーズに血液が通るためにたくさんの圧が必要となるためです。
狭い血管内を血液が通ると、血管壁は少しずつ傷つきます。傷ついた血管壁は酸化したLDLコレステロールが付着しやすいため、さらに血管内が狭くなります。
また、血液は塩分に引き寄せられる性質があり、塩分濃度の高い状態は血液を増やします。
そして、LDLコレステロールや中性脂肪の多い血液はドロドロです。大量でドロドロの血液は、たくさん圧がないと血管内を通ることができません。
狭くなった道を通るために心臓の血液を送り出す力が強くなり、さらに心臓に負担がかかります。つまり、血圧が高くなります。
動脈硬化によって起こる狭心症
狭心症とは「締め付けられるような胸の痛み」が特徴の心臓の疾患です。心臓の筋肉に血液が十分行き渡らず、痛みや心臓機能の低下を起こします。
心臓の筋肉に血液が行き渡らないのは、心臓に血液を送る冠動脈が狭くなってしまうからです。つまり、冠動脈の動脈硬化によって狭心症が起こります。
安静にしていると胸の痛みは落ち着きますが、心筋梗塞に移行するリスクが高いため、病院に行きましょう。
動脈硬化からさらに血管が詰まって起こる心筋梗塞
心筋梗塞とは心臓に血液が全く流れておらず、心筋が壊死して起こります。狭心症は冠動脈が狭くなっただけなので、安静にすると胸の痛みは落ち着きます。
しかし心筋梗塞は完全に冠動脈が詰まった状態のため、安静にしていても痛みは治まりません。さらに心臓の壊死が進むので死に至ります。
締め付けられるような胸の激しい痛みがあったらすぐに救急車を呼びましょう。
動脈硬化からさらに血管が詰まって起こる脳梗塞
脳梗塞も心臓の場合と同じで、脳の血管が動脈硬化を起こし、さらに血管が詰まることによって起こります。
壊死が進むと死に至りますが、比較的早く対処し、命をとりとめたとしても、一度壊死した脳組織は元に戻りません。
リハビリを頑張ったとしても、麻痺や会話、物を飲み込む難しさが完全に治ることはありません。
もし、突然手や足がしびれる、力が入らない、呂律が回らないなどの症状が起きたときは迷わず救急車を呼んで下さい。
動脈硬化から血管が傷つくことで起こる脳出血
脳出血は、脳の中の小さな血管が破れて出血する疾患です。動脈硬化、高血圧で傷ついた血管が破れて起こることがほとんどです。
症状は脳梗塞のときとほぼ同じですが、頭痛を伴うことがあります。脳梗塞より進行が早いのが特徴ですが、初期の症状は同じで違いが分りづらいです。
手遅れにならないためにも救急車を呼びましょう。
Q&A
ここからは多くの方が気になる、コレステロールに対するお悩みについて答えていきます。
コレステロール値を下げるにはどうしたらいいですか?
肥満と診断されている、体重が多い方は体重を適正にするところから始めましょう。
中性脂肪も下げる必要があります。脂質と糖質の摂取を適正量にし、バランスの良い食事を心掛けてください。
上記で紹介したLDLコレステロールを下げる飲み物や食品も参考にしてください。また、適度な運動も効果的です。
コレステロールが高い人は何を食べたらいいですか?
毎日の食事に野菜、大豆製品、海藻類、魚を取り入れてみて下さい。パンをご飯に変えるのも効果的です。
野菜サラダはとてもおすすめなのですが、ドレッシングで動物性油脂を摂りすぎてしまう恐れがあります。ノンオイルドレッシングやポン酢などを選んでください。
コレステロールが高い人が食べてはいけないものは何ですか?
食べてはいけないものはありませんが、量を適正にすることが大切です。動物性脂肪と呼ばれるバターやラード、生クリームなどは注意が必要です。
また、菓子パンもラードやバターに糖質が加わっているため、できるだけ控えましょう。ソーセージなどの加工肉も飽和脂肪酸が多く含まれるため、注意しましょう。
一般的に卵はコレステロールを多く含んでいますが、1日1~2個程度なら大丈夫です。
さらに、コレステロールは肝臓で70%程度作られているため、肝臓に負担をかけるアルコールは控えましょう。
LDL(悪玉)コレステロールは 何ヶ月で下がりますか?
個人差がありますが、赤血球の寿命は約4ヶ月と言われています。つまり、人間の血液は約4ヶ月で入れ替わるということです。
食事の改善、運動習慣の取り入れを行うことで約4ヶ月にLDL(悪玉)コレステロールが下がる可能性があります。
LDL(悪玉)コレステロールを下げるのはダイエットと同じで継続できないと意味がありません。良い習慣を続けることができれば結果は出るでしょう。
努力しても結果が出ない、薬を飲んでいるのに下がらない場合は他の病気が隠れているかもしれないため、医師に相談しましょう。
痩せてるのにコレステロールが高いのはなぜですか?
摂取カロリーが消費カロリーより少なければ太りません。しかし動物性油脂や飽和脂肪酸が多く含まれるものを食べていればLDLコレステロールは上がります。
また、遺伝や体質により、痩せていてもLDLコレステロールが高い場合もあります。一度、医師への相談をおすすめします。
まとめ
-
LDLコレステロールを下げる飲み物はお茶、コーヒー、豆乳、ココア、トマトジュース
-
LDLコレステロールを下げる食品は野菜、キノコ、大豆製品、海藻類、青魚
-
コレステロール値、中性脂肪の増加により、動脈硬化のリスクが上がる
-
動脈硬化を予防するにはバランスの良い食事、禁煙、運動、適正体重の維持が必要
-
動脈硬化は高血圧、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞、脳出血などの生活習慣病を引き起こす可能性がある
この記事では、LDLコレステロールを下げる飲み物や食品について主に紹介しました。
LDL悪玉)コレステロールを下げることは自分の健康を守ることにつながります。食生活の改善は糖尿病などの生活習慣病の予防にも役立ちます。
この記事で紹介した飲み物や食品は積極的に取り入れ、健康な毎日を過ごしましょう。
参考文献
食品研究部門:機能性成分含有量データ(抜粋) | 農研機構 (naro.go.jp)
茶カテキンのうちガレートエステル型カテキンを一日 394mg 摂取することにより、血清総コレステロール値およびLDL(悪玉)-コレステロール値の有意な低下が認められることを確認
ガレート型カテキンの継続的な摂取による「体脂肪低減効果」「女性のコレステロール値低下作用」を確認 | 伊藤園 企業情報サイト (itoen.co.jp)
食物繊維の必要性と健康 | e-ヘルスネット(厚生労働省) (mhlw.go.jp)
「ブロッコリー(ブロッコリ)」の栄養素・栄養成分・栄養価・効果・効能 | ジャパンクロップス (japancrops.com)
ひじきの栄養成分 | 日本ひじき協議会 (hijiki.org)