アルコール依存症とは?
アルコール依存症とは、まずアルコールを頻繁に繰り返して大量に摂取した結果、アルコールに対して依存的になる精神疾患です。
そしてさらに飲酒を続けると精神的、身体的機能が障害され発汗、ふるえなど様々な症状が出現します。
アルコール依存症は、自分で飲む量をコントロールできなくなった状態です。
老若男女を問わず、誰でも長期間多量に飲酒をすればアルコール依存症になる可能性があります。
アルコール依存症は結果としてその方にとって優先的で価値のあった行動が、アルコールを摂取することにとってかわってしまう病気です。
世界保健機関(WHO)の策定した国際疾病分類第10版(ICDー10)では、
精神および行動の障害の中に分類されており、ただ単に個人の性格や意志の問題ではなく、精神疾患と考えられています。[1]
アルコール依存症の症状とは?
アルコール依存症とは、まずアルコールを頻繁に繰り返して大量に摂取した結果、アルコールに対して依存的になります。
お酒をより多く求める行動もアルコール依存症の症状です。
常にアルコールを求めるようになり、さらに飲酒を続けると精神的、身体的機能が障害されやがて様々な症状が出現します。
アルコール依存症は、自分で飲む量をコントロールできなくなった状態です。
アルコール依存症に至るまでの流れ
アルコール依存症になるまでの流れはどのようなものでしょうか?
はじめは少量のお酒でも気分よく酔えますが、少しずつお酒の量が増えていき、酔う感覚が乏しくなります。
これがお酒に対する耐性ができた状態です。
耐性ができると同じ量のお酒を飲んでも酔わなくなる、いわゆる「お酒に強くなった状態」であり、良い気分を味わいたいために少しずつお酒の量が増えます。
さらに飲酒を続けると何よりもお酒を飲むことを優先するようになり、仕事や家族関係に影響を及ぼし、心身の不調が出現してもやめられない状態になってしまいます。
この段階になるともうすでにアルコール依存症といえるでしょう。
アルコール依存症は病気/初期症状は?
アルコール依存症の初期症状はどういったものでしょうか?
初期症状としてはまず摂取するお酒の量が増えるのが特徴です。
日常的にお酒を飲む機会と量が多くなり、やがてアルコールに対する耐性が生まれます。
耐性がある状態で酔おうとするためにさらに大量のお酒を飲むようになりますが、初期の段階で気づくことができれば心身の不調が出現する前に改善できる可能性があるでしょう。
また、家族関係や仕事への影響を及ぼす事態も防げるので、ぜひご覧ください。
アルコール依存症の精神依存と身体依存とは?
アルコール依存症の症状には精神依存と身体依存があります。
精神依存とは、簡単に言うとお酒が欲しくなる状態です。
お酒を飲みたいという強い欲求が起こるためにお酒を飲む量がコントロールできず、精神的、身体的に問題が出ているにも関わらずお酒をやめない状態です。
初期の精神依存では飲むなと言われていても、勝手に理由をつけてお酒を飲む言い訳や理由付けが見られます。
飲みたい欲求がさらに高まる段階になると、どのような状況にあってもお酒を飲もうとする様々な努力や工夫を惜しみません。
そして精神依存が強くなるにつれて探索行動というお酒を求めて家の中を探し回ったり、わざわざお酒を買いに出かける行動が出現します。
この段階になると、お酒以外の娯楽を無視するようになります。
アルコールへの耐性ができ、精神依存になり長期的に大量飲酒を続けているとやがて身体依存になります。
身体依存とは、体内のアルコールが切れたときに出る体の症状のことです。
長年アルコールが蓄積された体になるとアルコールが体内から抜けたときに手のふるえや発汗、不安感、イライラなどのいわゆる禁断症状(離脱症状)が出ます。
離脱症状をおさえるためにさらにお酒を求めるといった状態になります。
アルコール依存症は目つきや顔つきも変わる/特徴、男性と女性での違いは?
男性よりも女性の方がアルコール依存症になりやすいといわれています。
アルコール依存症自体は男性でも女性でもなる可能性が同様にあるでしょう。
しかし、お酒を飲み続けてから依存症になる期間は、男性よりも女性の方が短期間であり、女性の方が早くアルコールによる中毒状態になります。
女性の方がお酒を同じ量飲んだとしても、アルコールの血中濃度が高くなりやすいことが原因です。
また、アルコール依存症になると目つきや顔つきも変わり、目の下のクマやたるみが目立つようになります。
家族も仕事も失う!アルコール依存症末期症状/成れの果ては?
アルコール依存症の成れの果て、すなわち末期症状は、お酒なしには生きられなくなります。
お酒のために仕事を続けることができなくなり、パートナー、子どもといった家族との関係が崩壊してしまうこともあれば社会的な信頼もなくなるでしょう。
また、食事をとらずにお酒だけを飲むために栄養状態が悪化し、肝臓の病気やがんに侵されます。
さらには長期的なアルコール摂取の末に、脳の萎縮による認知症の症状が出るようになります。
アルコール依存症は末期になると命に関わる危険な状態です。
アルコール依存症の離脱症状とは?
離脱症状とはアルコール依存症になった方の、お酒を飲んでいないときに出てくる様々な症状であり、いわゆる禁断症状と呼ばれるものです。
具体的には不安、イライラ、不眠、幻視、幻聴などがあります。
さらに見当識障害(自分のいる場所や時間の感覚がなくなる)やふるえが起き、離脱症状をおさえるためにさらにお酒を飲むといった状態に陥ります。
アルコールが引き起こす様々な病気
お酒を長期的に摂取すると様々な病気を引き起こすことが知られています。
お酒の飲み過ぎと聞いてまず浮かぶのは肝臓の病気ですが、お酒が及ぼす影響は肝臓だけではありません。
大量かつ長期的にお酒を摂取すると栄養状態が不良になり、様々な臓器に影響を及ぼします。
そして肝臓をはじめとする様々な臓器や脳、血管などに色々な病気を引き起こすことにも注意です。
重症になると歩くことも困難になり、死亡の危険性も高まります。
がん
がんは食道や咽頭・喉頭と呼ばれる「のど」の部分、大腸といった消化器にできる危険性を高めることが知られています。
消化器は口から肛門まで続く器官で食べ物の消化と吸収、排泄などに関わっています。
また、日本人は欧米人に比べて同じ飲酒量でも大腸がんになる危険性が若干ながら増加すると言われています。
アルコールが影響を与える臓器として肝臓が浮かびますが、肝臓がんの原因はB型・C型肝炎ウイルスへの感染と肝硬変と言われており、飲酒も原因の一つです。
B型・C型肝炎ウィルス感染者が飲酒をすると肝硬変になりやすくなり、早い年齢で発がんするようになると言われています。[2]
循環器の病気
主に心臓と血管が循環器に相当します。
長期的な飲酒では高血圧になることが示されています。
高血圧は脳梗塞、脳出血、心不全の危険性を高めることが知られており、注意が必要です。
脳の病気
長期にお酒を大量摂取する影響を受けるのは脳も同様です。
具体的には大量飲酒する方では脳の萎縮が高い割合で見られること、アルコール依存症では認知症の危険性を高める可能性があります。
飲酒量と脳の萎縮には正の相関があり、飲酒量が増えるほど脳が萎縮すると言われています。
また、ウェルニッケ脳症という病気にも注意が必要です。
お酒を長期的に摂取していると、栄養状態が不良になるためアルコールを分解するときに必要なビタミンB1が体内に足りなくなります。
そして、脳幹と呼ばれる脳の奥の方に小さな出血が起こり、細かな眼のふるえ(眼振)や眼球運動障害、さらには意識障害やふらつきといった症状が急激に出現します。
この段階でビタミンB1を補充すれば改善する可能性がありますが、放置するとコルサコフ症候群へと進行し改善が難しくなるでしょう。
コルサコフ症候群は記銘力障害、失見当識、作話の症状からなる状態です。
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記銘力障害:最近の出来事を覚えていられない
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失見当識:自分の居場所や現在の時間、状況がわからない
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作話:自分の記憶のない部分を補うために話を作ったりつなぎ合わせたりする
コルサコフ症候群まで進行すると回復は難しいと言われているため、ウェルニッケ脳症の段階で早期発見、早期治療開始することが大切です。
アルコール依存症チェックシート(AUDIT 厚生労働省)で家族と一緒に確認
アルコール依存症の早期発見のチェックとして、WHOが作成したチェックシートAUDIT(Alcohol Use Disorders Identification Test)がよく使用されています。
本人や家族にアルコール依存症の疑いのある方がいる場合は、以下のチェックシートでアルコール依存症の可能性を調べることができます。
注意点として、あくまでも可能性があるというものなので、正確な診断は医師の診察が必要です。
チェックシートはこちらのリンクからご覧ください。
8点以上は何らかのアルコール関連問題の可能性があり、15点以上はアルコール依存症の疑いがあるといわれています。[3]
アルコール依存症になりやすい人はどんな人?
アルコール依存症には危険因子といってアルコール依存症になりやすさにつながるものがあります。
例えば高血圧や喫煙習慣は脳卒中の危険因子になる、といった具合です。
危険因子は、条件に当てはまるとその病気になりやすくなるもの、と言えるでしょう。
よく知られている危険因子は4つあります。
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性・年齢
男女関係なくアルコール依存症になる可能性があり、年齢も様々です。
男性に多いことは以前から言われていますが、最近は若い女性のアルコール依存症も増えています。
女性は男性に比べて同じ飲酒量でも血中濃度が高くなりやすいことが原因です。
そのため、習慣的に飲み始めてから依存症になるまでの期間が女性では短い傾向にあります。
飲み始めてからの期間では、早くに飲酒を始めた方が依存症になる危険性が高いですが、男女の差はありません。
また、産まれてくる前お母さんのお腹の中にいる段階でお母さんが飲酒したとします。
その場合産まれたあと成長期や大人になってから行動が攻撃的になったり、不安、うつ、アルコールを含めた薬物問題が発生する危険性が高まると言われています。
そして、近年問題になっているのが高齢者のアルコール依存症です。
高齢者の場合は、退職後にやりたいことが見つからなかったり、友人や配偶者など大切な人との別れもアルコール依存症になるきっかけになります。
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家族のアルコール問題
親がアルコール依存症の場合、そうでない人に比べて依存症になる確率が4倍になると言われています。
アルコール依存症に遺伝が関係するのは確実です。
また、親が子どもに成人する前から飲酒を勧めるような態度や夫婦喧嘩、家族の関係が希薄などの要因も関係します。
さらに子どもに対する身体的、性的虐待や子供に関心がないなどの要因も依存症の危険性に影響を与えるため単純に遺伝だけの問題とも言えません。
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他の精神疾患
アルコール依存症の危険性を高める精神疾患としてうつ病や不安障害、注意欠陥多動性障害などがあります。
原因としては不安やうつ病の症状をお酒を飲むことで和らげようとするからです。
また、ニコチン依存とアルコール依存はよく合併することが知られており、他のギャンブルや薬物依存もアルコール依存症の危険性を高めてしまいます。
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環境要因
未成年で学生の場合、学業や学校自体を大切にしない態度がアルコール依存症の危険性を高めると知られています。
また、まわりに飲酒する友人がいたり、コンビニやスーパーなど手軽に購入できる環境やメディアの宣伝も影響を与える要因です。[4]
アルコール依存症の治療は病院へ/治療法は?
アルコール依存症の治療の第一はまず断酒です。
一度アルコール依存症になると、断酒している間に少しのお酒を飲むだけでも症状が再発してお酒を多量に飲んでしまいます。
しかし、自分自身で断酒することは非常に困難です。
長期のアルコール摂取による栄養状態の悪化や様々な病気になり、さらには離脱症状のために生活自体が困難な場合もあることから入院が必要です。
入院して断酒できる環境で栄養状態の改善を図り、専門の医師の指導のもとで治療開始です。
また軽症のアルコール依存症の方には減酒治療という、自身でアルコール摂取量の目標を決めて飲酒量を記録しながら依存症と向き合う治療法もあります。
ここでは、アルコール依存症に対する治療のうち、薬物療法と自助グループ、そして心理・社会的治療を紹介しますので見ていきましょう。
アルコール依存症の治療薬は?
依存症の薬物療法には大きく分けて抗酒薬と飲酒量低減薬があります。
抗酒薬は飲酒欲求自体を減らすことはありませんが、飲酒するとお酒が飲めない人のような吐き気や頭痛などの症状が出るためアルコール摂取自体を抑える効果が期待できます。
一方、飲酒量低減薬は飲酒の欲求自体を低減する効果のある薬です。
お酒を飲んでも以前に比べておいしく感じなくなるため、お酒自体を飲まなくなる効果を狙った薬と言えるでしょう。
薬物療法の効果を高めるためには本人が積極的に治療方針の決定に参加し、決定した内容に従い治療を進めます。
そのためには家族の前で薬を飲む、内服がちゃんとできているかチェックできる環境を整えるなどの工夫が大切です。
薬を飲んだからといって必ず断酒に成功するものではなく、その他の治療とも組み合わせることが治療効果を高めるために重要です。
アルコール依存症の自助グループ
自助グループとは、生活の困難さを感じている人やその関係者などが自主的に集まった集団です。
同じような体験や悩みを抱えている人同士で情報交換し、お互いに助け合いながら問題を乗り越えていきます。
アルコール依存症からの回復は一人ではなかなか難しいものです。
生活していく中では、スーパーやコンビニなど色々な場所でお酒が目についてしまいます。
お酒が目につけば欲求に負けてしまい、つい買って飲んでしまうことも考えられます。
自助グループは、依存症からの回復に苦しみながらも生活していくためのヒントや希望を得ながら依存症と向き合っていくための場といえるでしょう。
アルコール依存症を自覚させるには?心理・社会的治療
アルコール依存症を自覚させるにはどうすればいいでしょうか。
アルコール依存症の心理・社会的治療は、アルコール依存症と向き合っていく中で、断酒しようとする意思を尊重し、飲酒しない習慣を身につけ、良好な対人関係を築きながら生活の中にあるストレスに負けない自分作りを目的に行われます。
心理・社会的治療には様々な種類がありますが、代表的なものは以下の3種類です。
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認知行動療法
自身の考え方のパターンを検討し、考え方のパターンや行動を変えていく方法です。
アルコール依存症ではお酒の問題を小さく考え、また自分の行動を正当化する傾向があります。自身の考え方に気づき、行動を変えることによって最終的に断酒、減酒へとつなげていきます。
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動機付け面接法
動機付け面接法はカウンセリングの中のコミュニケーション方法です。
アルコール依存症の方は治療に対してモチベーションが低いといわれています。
両価性(治したい気持ちと、このままでいいという気持ち)を丁寧に引き出し、自身の行動に気づき、断酒、減酒といった目標に向かう行動につなげていく面接スタイルです。
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コーピングスキルトレーニング
コーピングとは、ストレスを感じる状態に対する行動のことです。
お酒に誘われたとき、お店でお酒が目に入ったとき、その他の心理的ストレスを感じる状況下での適切な対処方法を練習し身につけます。
コーピングスキルトレーニングは、生活の中での飲酒に繋がる欲求やストレスに感じる状況に対処するための技術を身につける練習です。[5]
心理・社会的治療ではアルコール依存症になった自分自身の行動を見つめ直します。
そして、生活の中での様々な誘惑やストレスに対する適切な行動を身につける治療といえるでしょう。
1日のアルコール摂取量の目安は?
アルコールは好きだが依存症にはなりたくないと考える人がほとんどでしょう。
では依存症にならないための飲酒量とはどの程度でしょうか?
厚生労働省では「節度ある適度な飲酒」として、1日当たりビールで500ml(中瓶1本)、清酒では180ml(1合)を目安としています。
1日あたりの摂取量の目安は表のとおりです。
お酒の種類 |
ビール (中瓶1本500ml) |
清酒 (1合180ml) |
ウイスキー・ブランデー (ダブル60ml) |
焼酎(35度) (1合180ml) |
ワイン (1杯120ml) |
アルコール度数 |
5% |
15% |
43% |
35% |
12% |
純アルコール量 |
20g |
22g |
20g |
50g |
12g |
しかし、注意点として以下を挙げています。
-
女性は男性よりも少ない量が適当
-
アルコール代謝能力の低い人は通常よりも少ない量が適当
-
65歳以上の高齢者ではより少量の飲酒が適当
-
アルコール依存症者においては適切な支援のもとに完全断酒が必要
-
飲酒習慣のない人にはこの量を推奨するものではない[7]
お酒の強さは人それぞれ違います。
その人に合ったお酒の量や飲み方を尊重し、決して無理に飲ませるようなことはしないようにしたいですね。
アルコール依存症にならないためには?予防法
アルコール依存症にならないための方法はあるのでしょうか?
アルコール依存症の原因と流れから対策を考えていきます。
まず初期の段階で習慣的にお酒を飲むことがアルコール依存症になる始まりです。
習慣的に飲まずにお付き合い程度の飲酒に留めることができれば危険性は低くなります。
日常的に多量のお酒を飲むことで耐性ができるためにお酒の量が増えてしまいます。
そこで「ビールなら1日中瓶1本(500ml)」の1日の摂取量を守ることで耐性をつくらないようにしましょう。
耐性ができなければお酒の量が大きく増える危険性は小さくなります。
また、休肝日をつくることも有効です。
休肝日はアルコールを分解する働きをもつ肝臓を休ませるために、週に1日以上お酒を飲まない日を作ることを推奨するために作られた造語です。
お酒を全く飲まない日を作れば合計の飲酒量も少なくなり、飲酒でダメージを受けた肝臓などの臓器の修復が期待できます。[8]
アルコール依存症の疑いがあるとき家族はどうする?
アルコール依存症になると本人だけではなく家族も辛い思いをします。
断酒を勧めても暴力を振るわれたり、暴言を吐かれたりすると家族であっても本人がおとなしくなるならとついお酒を与えてしまいます。
しかし、アルコールの問題を家族が尻ぬぐいしてしまうと本人の治療は進まずさらに症状を悪化させてしまいかねません。
治療の第一歩は本人が自覚することから始まります。
他にも飲酒代金を代わりに支払う、暴れられると困るので一緒に飲むなどの行動は依存症を助長させるのでやめましょう。
また、治療を拒否する場合には外部の助けを利用するのも一つの方法です。
具体的には職場から命令として医療機関を受診させる、かかりつけ医に専門医への紹介状を書いてもらうなどの方法をとります。
加えて家族も正しい知識を得ることが大切です。
間違った対応を続けると本人だけではなく家族も苦しみから解放されなくなってしまいます。
早期発見と早期治療が回復の効果を高める大事なポイントです。[9]
Q&A
アルコール依存症の初期症状は?
初期症状としては、まず摂取するお酒の量が増えるのが特徴です。
そして日常的にお酒を飲む量と機会が多くなり、やがてアルコールに対する耐性が生まれます。
耐性がある状態で酔うためにはさらに大量のお酒を必要とするため、より大量のお酒を飲む悪循環です。
アルコール依存症とはどういう状態ですか?
アルコール依存症とは、アルコールを頻繁に繰り返し大量に摂取した結果、アルコールに対して依存的になった状態をいいます。
そして精神的、身体的機能が障害され慢性的に自分で飲む量をコントロールできなくなり、お酒なしでは生活できなくなる病気です。
アルコール依存症とアルコール中毒の違いは?
俗にいう「アル中」は一般的にはアルコール依存症のことを指しますが、「急性アルコール中毒」は短時間でお酒を大量に摂取したことによる心身の不調をきたした状態です。
対してアルコール依存症は、慢性的にアルコールを大量摂取し、自分でお酒を飲む量をコントロールできなくなった状態を指します。
アルコール依存症は完治しますか?
アルコール依存症は慢性的な状態であるため、一度アルコール依存症になると完治することはありませんが、治療を継続することによって症状を軽減させることは可能です。
また、治療はできるだけ早期に受け始めることが症状を軽く留めるために大切です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
これまでアルコール依存症の症状や末期の状態、セルフチェックの方法、治療法などについて解説しました。アルコール依存症に関するポイントは5つです。
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アルコール依存症は自分でお酒を飲む量をコントロールできなくなった状態
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アルコール依存症の症状はお酒の量が増えることから始まり、徐々にお酒への欲求が高まり、最終的にはお酒なしでは生活できなくなり、やがてふるえや発汗、幻覚などの症状をきたす病気であり、放置すると命に関わる
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アルコール依存症の治療は医師の指示のもとに行われ、薬物療法の他に心理・社会的治療がある
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アルコールの適切な1日の摂取量の目安はビールでは中瓶1本程度
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アルコール依存症を予防するためには摂取量を守り休肝日をつくる
お酒は適量を飲むことでその場を楽しくさせてくれたり、一緒に飲む人との仲が深まったりするものです。
しかし、飲む量と頻度を間違えてアルコール依存症になると、自身の体調のみならず対人関係や仕事にも悪い影響を与えてしまいます。
正しい知識をもって健康的にお酒と付き合っていきたいですね。
この記事がアルコールとの付き合い方を考えるきっかけになれば幸いです。
参考文献
[4]アルコール依存症の危険因子|eーヘルスネット(厚生労働省)